Art Project , 2011 - 2014
『花魁るねさんす』は、物語やインスタレーション、漫画、写真など様々な媒体を通して、日本の伝統的なモチーフである花魁を現代に再考するプロジェクト形態の作品である。花魁は、江戸時代の政府公認の吉原遊廓という場所に存在した高級娼婦である。
吉原は、江戸の華やかな文化を生み出した文化の発信地でもあり、様々な作品の題材になった。花魁は、高級娼婦としてだけでなく、流行の最先端として、ファッションや髪型などの面で人々のあこがれでもあった。
身分制の江戸社会の中で、花魁という存在は江戸の光と闇を抱えた“多義的な”存在であった。現代には吉原遊廓は現存せず、史実や浮世絵や物語などから窺い知ることしか出来ないからこそ、想像の余地のあるモチーフだと考えている。